Breezin'

ダメ院生からSE見習いになったオタクのチラ裏

チケット転売問題に関する私の肯定意見と一検討

f:id:pulltuas:20170617135438p:plain:w200

人気のオタクライブに行っていると高確率で話題に上がるチケット転売問題。
去年秋に著名アーティストの集団が大々的に意見広告を出して転売屋撲滅を掲げ、議論が巻き起こったことは記憶に新しい。

随分昔から問題になっているにも関わらず転売は無くなっていない。
むしろ正規の業者がチケットキャンプというサイトを引っさげ肩で風を切りながら活動している有様である。

チケットの当落直後は分かりやすい悪者として転売屋への非難がSNSで荒れ狂う。
ヤフオクの出品を片っ端から通報してRTを稼ぐやつが出るのもこの時期である。

結論から言うと、私は転売肯定派なので、こうした流れを見るにつけ止めてくれと思っている
(最初に書いておくが転売屋ではありません。使う側です。)
ただ転売絶対殺すマンの感情も理解は出来る。

本記事では、私が転売肯定派である理由と、今後の業界に対する希望について述べる。
また、機会があれば別記事で、音楽業界が現状維持を続ける理由や、ライブにおけるJASRACの問題についても検討したいと考えている。

チケット転売の何が悪いのか?

いきなり本記事の存在意義が危ぶまれてしまうが、転売肯定派の主張がとても良く纏まっているサイトがあるので紹介する。

イベンターならお世話になったことがあるであろう、日本全国のライブ会場のお役立ちレビューをしているlivehis氏の一記事である。
是非全文に目を通して欲しい。

チケット転売肯定論 -- livehis
チケット転売肯定論2 (違法編) -- livehis

私はlivehis氏の記事を(全面的にではないが8割以上)支持する。
特に、以下の文が全ての問題点を総括していると考えている。

いろいろ書きましたが、転売肯定/否定の議論がいつまでたっても繰り返されるのは、「なぜ転売が悪いのか」という明確な理由がどこからも説明されていないせいだと思います。

※なお、本記事では現状の規制のあり方そのものについて議論するので、「法律・規約で禁止されているから悪い」と言った思考停止理論は扱わない。

オタクと転売屋の違い

転売商材になるプラチナチケットは、単なる金券的要素以上にガチャ要素が非常に強い商品である。
最近の人気オタクライブのチケットは申し込むのにやれCDを買え、BDを買え、ファンクラブに入れと、1口数千円以上かかるのが普通である。
しかしながら、ハズレが圧倒的に多く、運良く当たっても最後方の天空席を回されることなど日常茶飯事である。しかもキャンセル不可能。

そのようなシステムの中、最前を当てようと思ったら投資が青天井に膨らむしそもそも一人で何百口もの金額を用意するのは富豪でないと不可能だ。
そのため徒党を組んで総人数を遥かに超える枚数を申し込み、当たったら良席だけ身内で独占する行為が常態化している。強いファンほどその傾向は顕著だ。

しかし私は身内以外の知らんオタクが徒党を組んで最前引こうとおめでとうとは思えない。氏ねとしか思わない。
そもそもそうやって組織立って席を独占しようとする行為は、転売屋と何が違うのか?
それだったら「追加で金を払えば好きな席をくれる」転売屋の方がよっぽど公平であると言える。

結局のところ非常に不確かな「ファンとしての愛」か「金目的」か、という違いだけで、現状のガチャシステム内では、オタクは転売屋と同じ行為をしているし同じ土俵で勝負しているのである。

転売は必要悪

そのような現状のシステム内で冷や飯を食わされているのは人脈がないソロオタクだ。
ソロオタクにとって、転売はマージンさえ払えば好きなタイミングで好きな席を買える救済である。
その席を取るための申込みの手間、投資額、定価割れリスク、キャンセル権利などを問屋や商社のように持ってくれていることを考えれば、ボッタクられているとは言えないだろう。
嫌なら買わなければいい。その値段は他のオタクの需要と供給で決まったものだし元々その席は当たらなかった席だ。

余ったら定価で流せという厚かましいオタクがいる。
それは身内の間では通用するであろう。
しかし、見ず知らずの他人に流す際、希望者が多数だったらどう決めるのが公平か?と言ったら金以外にあるのか?
結局需要と供給で価格は成立するので(相場が定価割れすれば安く手に入る)、そもそも定価が不当廉売/ボッタクリであることは示されても、転売価格が不当だとは全く言えないのである。

じゃあ何が問題なのか?

結論から言うと、主催者側がどう考えても足りない箱しか抑えず、需要に対して不当に安値を設定し、客に対してキャンセル不可ガチャという悪徳商法を押し付けているのが全ての問題だと考える。

アーティストの物販などに流れるはずだった金が関係のないヤクザに渡っている(※)のも結局それが原因である。

そもそも抽選券やFC制の現行システム内で転売出品のうちどれだけがプロ転売屋なのかも怪しい。
沢山当てるには金を使ってCDやBDを積むしかない現状、ファンとプロの間に技術差など存在し得ないので、出品されているうち半分以上は良席狙いの余らせたファンなのではないかと思っている。 
→ きちんと統計を取った訳はないがヤフオクやチケキャンの出品者情報など見ていると小口の素人が多いように思える。

ファンの間で金が回っているならその金は結局物販などでアーティストに還元されるため、大した問題ではないだろう。

こうしてみると転売問題とは主催者の怠慢と取れなかったオタクの感情論じゃないかと私は考える。
それらのせいで本人確認が厳しくなり確認コストはチケット代に跳ね返る。
本確のせいで急に行けなくなった時に捌けず、行きたくなった時に手に入らない事態。

本当に止めて欲しい。

今後のあるべき姿について

やはり「公式オークション」が一番ではないだろうか。

チケトレのニュースは記憶に新しい。
www.itmedia.co.jp

この流れ自体は非常に良いことだ。オタク間で奪い合っている金が公式に流れるのは良いことである。
しかしチケトレには大きな問題がある。

『チケトレ』に「出品者にメリットない」「手数料高い」の声も 業界初の公式チケット転売サイト

出品チケットの購入は先着順となっており、すべて定価で取引される。

あほかと。
・定価が需要供給と釣り合っていないのがそもそもの問題なんだと。
・先着順なんて複垢やツールを使いこなす「プロ」の温床にしかならない

定価以上の販売を認めたくないのなら再販売も有料の抽選権利制にすると良いのではないだろうか。

まとめ

①抽選権利制の仕組みの中ではオタクと転売屋の差などない。出品にもプロの割合は少ない
②転売は救済措置かつ値段は相場でしかない
そもそもの問題は席の供給が少なすぎる & キャンセル不可悪徳商法を強いていることである
④転売防止に本人確認をやるのは愚の愚策
⑤公式転売市場は良い流れだが先着順定価オンリーをやめろ

こういった主張は怒り狂ったオタクオタク病の人には受け入れられないとは分かっている。
しかし、

・何ヶ月も先の予定など確定させたくない
・定価割れのチケットを見つけて興味があったけど敷居が高かった公演に行ってみて好きになる
・逆に好き過ぎるからこそ席を選びたい公演で少し高い金を出して選ぶ

などして来たオタクとしては、昨今の本人確認の流れが本当に嫌なので声を上げる必要があると考えた。

私は転売はしないし、使う側としてもできれば公式以外に金など払いたくないのは一緒である。
しかし、現状のシステムの中で自分の満足を最大化するためには使うしかない。

そのため、公式はファンの感情論にあぐらをかかずに新しい解決策を生み出すことを切に望む。